まだ残暑…親の体調、大丈夫? 高齢者のための熱中症対策

お盆休みが終わっても、厳しい残暑が続いていますね。
日中はもちろん、夜になっても蒸し暑さが残る日もあり、高齢の方にとっては体に大きな負担となります。

とくに高齢者は体の水分量が少なく、暑さや喉の渇きを感じにくいため、熱中症のリスクが若い世代より高いといわれています。
「大丈夫だろう」と思っていても、知らないうちに熱中症になっていた…というケースも少なくありません。

今回は、高齢者の熱中症対策について、日常生活の中でできる工夫を具体的に解説していきます。

高齢者が熱中症になりやすい理由

熱中症は「真夏の炎天下に外出したときになるもの」と思われがちですが、実際には自宅の室内で発症するケースが多いのです。
その背景には、高齢者特有の体の変化があります。

  • 体内の水分量が少ない:加齢により体内の水分が減り、脱水になりやすい
  • 喉の渇きを感じにくい:水分不足でも「飲みたい」と感じにくい
  • 体温調節機能が低下:汗をかきにくく、体に熱がこもりやすい
  • 持病や服薬の影響:利尿作用のある薬や心臓病・腎臓病の影響で水分補給に制限が出ることもある

室内でできる熱中症対策

「外に出なければ大丈夫」と思いがちですが、室内での熱中症が一番危険です。
以下の工夫で、室内の環境を整えてあげましょう。

  • エアコンをためらわず使う
     高齢者の中には「冷えすぎが心配」「電気代がもったいない」とエアコンを我慢してしまう方が多くいます。
     室温は28℃以下、湿度は50〜60%を目安に調整することが大切です。
  • 扇風機やサーキュレーターで空気を循環
     エアコンと併用することで効率的に涼しくなり、電気代の節約にもつながります。
  • 遮光カーテンやすだれで直射日光を防ぐ
     日差しを防ぐだけで、室温の上昇を大きく抑えられます。
  • こまめな換気
     朝夕の涼しい時間帯に窓を開け、空気を入れ替えましょう。

水分・栄養補給の工夫

「喉が渇いたら飲む」では遅いのが熱中症対策です。
高齢者にとっては、こまめな水分補給を“習慣化”することがとても大切です。

  • 1日1.2リットルを目安に:一度にたくさんではなく、少しずつ分けて飲む
  • お茶やコーヒーだけに頼らない:利尿作用があるため、水や麦茶、経口補水液を取り入れる
  • 食事からも水分をとる:スイカ、きゅうり、トマトなど夏野菜は水分補給に最適
  • 塩分・ミネラルも一緒に:大量の汗をかいたときは、スポーツドリンクや梅干しなどで補う

日常生活で意識したいポイント

  • 涼しい服装を選ぶ:吸湿性・通気性の良い綿素材や速乾性のある服を
  • 外出は涼しい時間帯に:朝や夕方を選び、炎天下の外出は避ける
  • 帽子や日傘を活用:外出時は直射日光を防ぐ工夫を
  • 体調のサインに敏感になる:めまい、だるさ、食欲不振、頭痛などは要注意

家族ができる声かけと見守り

高齢者ご本人が「自分は大丈夫」と思っていても、気づかないうちに熱中症が進んでいることがあります。
そこで家族や周囲の人が、声をかけたり一緒に工夫したりすることが大切です。

  • 「お水、飲んだ?」とさりげなく声かけする
  • 部屋の温度計・湿度計を確認し、一緒に調整する
  • 定期的に電話やLINEなどで様子を聞く
  • 訪問サポートサービスを利用し、第三者の目で確認してもらう

まとめ

残暑の厳しい時期は、高齢者にとって熱中症のリスクが高まる季節です。
エアコンの使用や水分補給を「当たり前」として続けることが、健康を守る一番の近道です。

「大丈夫だろう」と思わず、日常の中に小さな工夫を取り入れ、家族みんなで声をかけ合うことが大切です。
私たち「ライフブリッヂアイスタッフの御用聞き」も、ご高齢の方の暮らしを見守りながら、熱中症予防のお手伝いをしています。